南勢街西羅殿は特に著名な観光名所というわけではないが、そのお堂の中は大変な賑わいを見せていた。そこにいるのはほとんどが地元の人々で、僕のような異邦人の姿は見当たらない。このときはちょうど何かの儀式が行われていたようで、大勢の参拝客が大きな香炉を囲むようにして立ち、説教とも儀式の一環とも取れる話に耳を傾けていた。
何の儀式が行われていたのか、詳細は分からない。ただ、参拝客たちの真剣な表情が印象的だった。ほとんどの人が両手を合わせて祈りながら、話を聞いている。その姿勢には、儀式の内容に対する深い敬意や信仰心が表れていた。
この場所は、元々中国大陸の泉州南安県に住んでいた郭一族が、自らの故郷に祀られていた廣澤尊王を移して祀ったのが始まりとされる。廣澤尊王は、郭一族にとって氏神のような存在だったのだろう。そう考えると、この場に集まっている人々も、郭一族の末裔か、その縁のある人たちなのかもしれない。
2017年3月 人びと 台湾 | |
香炉 線香 台南 参拝客 |
No
10065
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年03月08日
更新日
2025年01月22日
撮影場所
台南 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF85MM F1.2L II USM