国立にある谷保天満宮は古い。903年の創建なのだそうだ。これを聞いてあれっと思った人は鋭い。全国にある天満宮の総本社とされ、菅原道真の霊廟として篤く信仰されている太宰府天満宮の創建よりも古いのだ。なんだか分家の方が本家よりも歴史があるような不思議な感じがしてしまう。もっとも一番古い天満宮は太宰府天満宮ではない。最初に創建された天神様を名乗っているのは防府にある防府天満宮なのだ。ややこしい。
谷保天満宮の創建が太宰府天満宮よりも古いのは、父・菅原道真が太宰府に左遷されるのと時期を同じくしてこの地に左遷された道真の三男・道武が、903年に菅原道真が薨去するとすぐに父を祀る廟を建てたためなのだという。今となってはこれが史実なのか作り話なのかはわからない。なにせ1000年以上前の話だ。確実に言えるのは、谷保天満宮は古く、亀戸天神社、湯島天満宮と合わせて関東三大天神と呼ばれて今でも信仰を集めているということだ。
神鶏が放し飼いにされている境内をウロウロしていると、時折思い出したかのように参拝客がやって来る。傘を差した女性もそのひとりだった。紫色の傘は道真公が薨去した日に防府で見られたと言う瑞雲を連想させた。
2021年11月 町角 東京 | |
国立 紫 神社 階段 鳥居 傘 |
No
12092
撮影年月
2021年7月
投稿日
2021年11月16日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
国立 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF