道路脇に立つ鳥居をくぐり抜けると、目の前に急な階段が現れる。これは愛宕神社へ続く階段だ。1603年に徳川家康の命により創建された神社は愛宕山の上に鎮座している。階段の下に立つと、確かに階段は山の上に向かって一直線に伸びている。でも、この付近には愛宕山よりも高い建物が建っているので、今となっては山という感じはほとんどしない。せいぜい小高い丘といったところだ。愛宕山の標高は25.7mで、都内23区では最も標高の高い山とされるものの、自然に形成された山として最も高いというだけで、人工的に造られた新宿の箱根山の方が標高が高いし、武蔵野台地に至っては山ではないものの標高は30mを超えている。
朝早くやって来たので、階段を上り下りする人は少なかった。見上げると、ひとりのサラリーマンが階段をゆっくり登っていた。この階段は出世の石段と呼ばれている。かつて曲垣平九郎という侍がこの石段を騎乗のまま上下し、将軍家光に賞せられたという故事からそう呼ばれれている。このサラリーマンも早朝に出世の石段を登って、密かに出世を目論んでいるのかも知れない。
2019年9月 町角 東京 | |
愛宕 サラリーマン 神社 階段 鳥居 |
No
11216
撮影年月
2019年3月
投稿日
2019年09月30日
更新日
2023年10月24日
撮影場所
愛宕 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III