足利の中心からほど近い織姫山の中腹に立派な神社が建っている。足利織姫神社だ。織姫とはロマンチックな名前だ。事実この神社は縁結びの神社として人気があるらしい。織物は縦糸と横糸が織りあってひとつの織物になる。そのため縁結びと結びつきやすかったのだろう。
足利は平安時代末期から絹の産地として有名だったものの、織物の生産が盛況を呈するのは1700年代になってからのこと。1700年代初頭に京都の西陣から高機が伝わってきて高級絹織物を始め大衆的な絹綿交織物と綿織物の生産が盛んになったのだという。この神社が創建されたのはちょうど織物業が盛んになり始めた1705年のことだ。
当時の人々は勃興した織物業の守り神として神社を建てたのだ。祀られている神様は太古の昔より機織を司る天御鉾命と皇太神宮御料の織物を織って奉納していた八千々姫命。勝手に七夕伝説に登場する織姫と彦星を祀っているように思っていたけれどそうではなかった。確かに織姫と彦星だと、年に一度しか会えないのだから縁結びにはあまり相応しくない。
織姫神社の入口に立つと、鳥居の向こうに階段が続いていた。社殿にたどり着くには229段もある石段を登らねばならない。ロマンチックな名前とは裏腹に、参拝するにはその前に厳しい試練を乗り越えなければならない神社なのだった。
2021年10月 町角 栃木 | |
参道 足利 老人 神社 階段 鳥居 |
No
12057
撮影年月
2021年4月
投稿日
2021年10月12日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
足利 / 栃木
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF