長い歴史を誇るものを目にすると、歴史が長いのだから自然と信頼を置いてしまう一方で、あまりにも歴史が長いと本当のところはどうなのだろうと訝しく思う自分もいる。ソロアスター教の聖地であるイランのヤズドで聖なる火を見たときもそうだった。470年から1500年以上もの間、一度たりとも消えることなく燃え続けているとされているけれど、それは本当なのかと思ってしまったのだ。その僕の思いを裏付けるかのように、この火は1978年のイラン革命のときに一度消えてしまっているという噂も耳にした。本当のところがどうなのかはわからないものの、理解を越えた長さを誇られると僕は胡散臭さも同時に感じるらしい。
そこでこの日に訪れた簸川神社だ。小石川植物園の脇にある高台の上に鎮座するこの神社の創建は、社伝によると473年。ヤズドのゾロアスター教寺院で燃え続ける聖なる火と同じくらいの歴史を誇るのだ。しかしながらどうなのだろう。イランではその当時ササン朝ペルシャという帝国が存在していたのに対し、日本はまだ古墳時代中期。「宋書」に登場する倭の五王でさえ誰だか比定されていないくらい昔のことだ。その社伝を胡散臭く感じても仕方がないだろう。
2023年1月 町角 東京 | |
親子 千石 神社 階段 鳥居 |
No
12428
撮影年月
2022年10月
投稿日
2023年01月13日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
千石 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF