昔、「100,000年後の安全」という映画を観た。オンカロと呼ばれる放射性廃棄物処理施設から放たれる放射線が安全なレベルまで低下するのに10万年を要するという事実を後世に伝える困難を描いたドキュメンタリー映画だ。
端的に言うと、オンカロという場所が危険であることを10万年もの期間に渡って伝えていくにはどうするべきなのかという話だ。文字で記録を残していくにしても、現在地球上で使用されている文字を10万年後の人類も使用している保証はないどころか、解読不能になっている可能性さえある。実際、19世紀になってフランスのシャンポリオンによって解読されるまで、たかだか2000年くらい前に書かれたエジプトのヒエログリフも長いこと解読不能だったのだ。
府中の甲州街道沿いに建つ熊野神社の背後に、キレイに修復された古墳がある。考古学的調査で7世紀頃に築造されたのは判明しているものの、誰の古墳なのかは分かっていない。記録が見つからないからだ。上円下方墳という全国でも珍しい形状で、埋葬されているのは間違いなくこの地の有力者だったはずなのに、1000年を越えた今では埋葬されているのが誰なのか分からなくなっている。時を越えて情報を伝えていくのは難しいのだ。
2021年11月 建築 東京 | |
雲 府中 空 石 古墳 |
No
12093
撮影年月
2021年7月
投稿日
2021年11月17日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
府中 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF