上野公園の一画に神社が密集している場所がある。上野公園はかつて寛永寺という寺院の境内だったところだから、そこに建つ神社は仏閣を護持する鎮守様として建立されたものだと勝手に思っていた。でも実はそうではなかった。ほとんどが寛永寺よりも古く、江戸時代に寛永寺が建立されてから境内に飲み込まれてしまったものなのだ。
韻松亭の脇にある鳥居の建つ参道を進んでいくと、その密集地帯に辿り着く。それほど広くはない境内に五條天神社、花園稲荷神社、忍岡稲荷、七福社と4つの神社が建っている。この中で江戸時代に建立された七福社を除く3つが寛永寺よりも古いのだ。
寛永寺が建立されるとその境内に飲み込まれてしまうものの、明治維新後に境内のほとんどが博物館や公園に変貌しても生き残り、今でもこれらの神社は同じ場所に社を構えている。さくら通りからちょっと入ったところにある境内には穏やかな雰囲気が漂っていてのんびりした印象を受けてしまうけれど、おっとりした仮面の下に時代の流れをシビアに読みとく一面を隠しているようにも思える神社たちだ。
2021年12月 人びと 東京 | |
参道 箒 掃除 葉 神職 神社 上野 |
No
12132
撮影年月
2021年11月
投稿日
2021年12月26日
更新日
2024年07月09日
撮影場所
上野公園 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF135MM F2L USM