横浜の野毛山を登っていくと、住宅街の中にさらに階段が上に伸びていた。登っていくと上がりきったところに鳥居が立っていた。水色の袴を穿いた神職が箒で清めている。ここは伊勢山皇大神宮だ。
「皇」という字が用いられているし、大神宮という社号も使われていて壮大な名前の神社だ。それもそのはず、大神宮という社号が示しているようにここは天照大神を祀っている「関東のお伊勢様」だ。そう聞くと伊勢神宮から直接天照大神を勧請したように思えるけれど、そうではないのがややこしい。かつて横浜市西区戸部町にあった伊勢神宮より勧請されたと伝わる古社を再興し、国際港都・横浜の守り神としてこの見晴らしの良い丘へ遷座したのだという。その戸部にあったとされる古社は調べてもよく分からない。Wikipediaには「武蔵国の国司が勅命によって伊勢神宮から勧請したと伝わる神社」と記載があるものの、どのような神社だったかは闇に包まれているのだ。
創建された経緯にちょっとモヤモヤしたものがあるとはいえ、天照大神が主祭神で伊勢神宮と関係があるのは紛れもない事実だ。2018年には創建150年の記念事業の一環として、伊勢神宮から内宮の旧西宝殿が下げ渡されて本殿として使用されている。大仰な看板に偽りはないのだ。
2021年5月 神奈川 人びと | |
箒 神職 神社 鳥居 傘 横浜 |
No
11923
撮影年月
2020年9月
投稿日
2021年05月31日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
横浜 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF