太鼓橋を渡って楼門を抜けると、鑁阿寺の本堂はすぐそこだ。1299年に建立され、国宝にも指定されている本堂は大きな石灯籠を越えていったすぐ先に建っている。ここは真言宗大日派の本山で、将軍も輩出した足利氏の氏寺だ。
興味深いのは、この鑁阿寺が日本の百名城のひとつに挙げられていること。仏教寺院であるにもかかわらず、名城とはいかに。それはこの地がかつて足利氏の居宅だったためだ。1196年に足利宗家2代当主・足利義兼が居宅に大日如来を奉納した持仏堂・堀内御堂を建立したのが鑁阿寺の始まりで、それまでは足利氏の居宅だったところなのだ。
そう言われると、この寺が周囲を掘りに囲まれているのも納得だ。ここはもともと鎌倉時代の武士の館だったため、攻め込まれることも想定して土塁と堀がめぐらされているのだ。今でも残っている土塁と堀は鎌倉時代前後の武士の館の面影がよく残されていると言われている。
この日、鑁阿寺の境内は空いていた。境内にいる参拝客の数よりも楼門の辺りにたむろしている鳩の数の方が多いくらいだった。僕がすぐ先に見える本堂を写真に収めようとカメラを構えたときにも、ウロウロしていた鳩の番いがひょこんひょこんと仲良くファインダーの中を横切っていった。
2021年10月 動物 栃木 | |
参道 足利 鳩 寺院 |
No
12054
撮影年月
2021年4月
投稿日
2021年10月09日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
足利 / 栃木
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF