山の中腹に建てられている織姫神社の社殿に向かうには、ふた通りの道筋がある。一の鳥居をくぐりそのまま急な石段を200段以上登っていく男坂と、男坂よりも距離は長くなるものの傾斜は緩やかな女坂だ。
神社仏閣で参道に急な階段が設けられている場合、多くの場所で石段を登り最短距離をたどり着ける道と、最短距離ではないものの傾斜が緩やかな道のふたつが用意されている。足利にある織姫神社もそのようだ。
面白いことにふたつの道筋が用意されていると、決まって急な道筋が男坂と呼ばれ、緩やかな道筋が女坂と呼ばれる。一般的には男性の方が体力があるとはいえ、このご時世にジェンダーのイメージによって名称が決まっていると、どこかの誰かがイチャモンを付けるのではないかと不安になってしまう。そして全国に数多ある男坂と女坂が「急な坂」と「それほど急ではない坂」なんて平凡な名称になるのではないかと思ってしまうのだ。
行きは男坂を登った僕は、帰りは女坂を往くことにした。くねくねと山肌に伸びる女坂には7つのご神徳を色で表した7色の鳥居が立っている。確かに男坂よりも傾斜は緩やかだ。しかし男坂と違って地面が舗装されているわけでもなく山道のようで、どちらが登るのに楽なのかはわからない。きちんと石段で整備されている男坂の方が楽なのではないかと思ってしまう。
2021年10月 建築 栃木 | |
足利 青 赤 神社 鳥居 |
No
12059
撮影年月
2021年4月
投稿日
2021年10月14日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
足利 / 栃木
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF