歴史小説に登場することもあるし、写真では見たことがあるけれど、どこか現実感のない存在だった勅使というものを生まれて初めてこの目で見たのは偶然の出来事だった。何も考えずに訪れた明治神宮で鎮守の森に伸びる正参道を歩いていると、向こうから時代がかった衣装に身を包んだ男たちが、ザッザッと玉砂利の上を進んで来たのだ。衣冠姿の人は参進の儀にもいるけれど、これだけ大勢の人を一度に眺めるのはそうそうあることではない。自分が絵巻物の世界に紛れ込んでしまったかのような気がして圧巻だ。
後になってわかったのだけれど、この日は7月30日、明治神宮の御祭神である明治天皇が崩御された日だった。 明治神宮では明治天皇を敬仰追慕する明治天皇例祭が執り行われる日だ。そのため宮中から幣帛を携えた勅使が明治神宮に派遣されたのだろう。幣帛が何なのかは分からない。けれど勅使の人数は多く仰々しい。これだけ大勢の勅使たちはどこから衣冠を身にまとって歩き出しているのだろう。まさかこの出で立ちのまま、皇居から来たわけではあるまい。明治神宮のどこかで着替えているに違いない。個人的には勅使の人たちがどこからどのように歩きだしているのかが気になってしまった。
2022年11月 人びと 東京 | |
参道 衣装 明治神宮 神社 鳥居 |
No
12403
撮影年月
2022年7月
投稿日
2022年11月25日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
明治神宮 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85