緩やかにカーブを描く参道にはところどころに石造りの鳥居が建っていた。ここは京都にある北野天満宮の参道だ。947年に創建された北野天満宮は、太宰府天満宮と並んで天神信仰の中心で、日本全国に数多く存在する天満宮や天神社の中でも由緒ある神社だ。いわゆる三大天満宮のひとつにも数えられている。三大天満宮は明確に定められているものではないけれど、一般的にはここ北野天満宮と太宰府天満宮に防府天満宮を加えた3社とすることが多い。
三大天満宮のように3つのものを総称するのが好きなのは日本だけの傾向と思っていたら、そうでもなく世界に共通した傾向らしい。日本以外でも三大宗教と言えばイスラム教・キリスト教・仏教を指すし、三大発明と言えば活版印刷・火薬・羅針盤を指すのだ。どうやら人間は物を3つ並べると、そこに安定感を感じるようにできているらしい。だからこそ、非キリスト教徒には論理破綻しているように見える三位一体の概念が1600年以上を経た今でも信じられているのだろう。
あまりにも座り良いがゆえに、日本では「嘘のサンパチ」という言葉もあり、嘘をつくときに使う数字に3と8が多いとも言われている。3つのものを総称するのと同じように、「嘘のサンパチ」のような考え方が日本以外にもあるのかどうかは残念ながら分からなかった。
2021年5月 町角 京都 | |
参道 京都市 神社 鳥居 |
No
11897
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年05月05日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
北野天満宮 / 京都
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF