ドラマや映画を撮影するときに、お金持ちの家が舞台の時はあまり物を置かず、貧乏を表現したい時には物をゴチャゴチャ置くのだという。物が沢山置いてあるというのは、お金が沢山ある状態を示すような気がするのだけれど、実際には逆なのだ。物があまりなくシンプルな暮らしを演出した方が見ている人は豊かさを感じるなんて、ちょっと面白い。
そこで写真のジャカルタの路地です。狭い通りの両脇には様々な物が乱雑に置かれていてゴチャゴチャしていた。使っているのか分からないバケツが積まれていて、頭上には雨除けのシートが貼られていた。この様子はどこからどう見ても、お金持ちが生活しているような空間ではなかった。
確かにここの通りには、リッチな雰囲気は全く漂っていない。でも、このような通りを歩くと活気を感じるのも事実だ。シンプルで整理整頓された空間からは、何も物語が始まらないような気がする。落ち着き払ってしまって、動きようがないのだ。その点、写真のようにゴチャゴチャした場所からは何かが産まれてくるような気がしてならない。目を凝らすと、この写真の中にも物語の萌芽が転がっているかもしれない。
2020年9月 町角 インドネシア | |
路地 鳥籠 ジャカルタ バイク |
No
11676
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年09月22日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF