金徳院の門前を見回してみると、箱のようなカゴがいくつも置かれていた。よく見ると、どれにも生きた小鳥がびっしりと詰められている。どの箱にも放鳥のための小鳥が入っているのだった。同じような大きさの箱が寺院の前にいくつも置かれている様子はなんだか工業製品が納品されたかのような雰囲気だ。
日本ではあまり馴染みのない放鳥も、東南アジアでは珍しいものではない。ホーチミンの中国寺院の門前にも鳥の入ったカゴを抱えた男が立っていたし、ミャンマーでも門前に鳥籠が置かれていたし、バンコクにあるエラワン廟でも鳥を用意している人がいた。東南アジアでは一般的なのだ。それにしても、ここ金徳院では大勢の人が放鳥を行うように見える。一体何回分の小鳥が箱に入っているのだろう。
小鳥を放すというのは、感謝祭でアメリカ大統領が七面鳥を屠殺される運命から恩赦するという行事にも通じているように思える。でも、思うのだ。放たれた小鳥はどうなるのだろう。放すばかりでは周辺が小鳥ばかりになってしまわないだろうかと。ミャンマーでは放たれた小鳥は近所の子どもたちが捕まえて小銭稼ぎをすると聞いたけど、ジャカルタではどうなのだろう。
2020年11月 動物 インドネシア | |
鳥籠 箱 ジャカルタ 寺院 |
No
11723
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年11月08日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF