食堂に入って席について、メニューと睨めっこしたあとで、店員さんに注文をオーダーする。ランチであってもメニューを見るのは楽しい。特にお腹が減っているときには何を目にしても美味しそうに見えてしまう。しかし、あれ不思議。オーダーをしてしまうと、その楽しさはどこかに霧散してしまい、料理が出てくるまで一転して修行僧にでもなったような心境になってしまうのだ。
だからと言って、さっきまで楽しく拝見していたメニューを再び開いてしまうのは負けだ。最善のメニューを選んだつもりなのに、
「ああ、こちらにしておけば良かった。」
と思ってしまうような料理があった場合にはいたたまれない。過去は振り返らない方が無難だ。修行僧にでもなってしまったような気配を感じたら、スマホをいじるにかぎる。このご時世スマホをいじるのが最も簡単な気の紛らわせ方だ。
そのような感覚は僕だけでなく、ジャカルタの人にも共有されているようで、町角に出ていた屋台で麺が出てくるのを待っていた男も、修行僧になってしまいそうな気がしたのだろう。自分のスマホをじっと見てどこかへ電話をかけていた。
2020年9月 インドネシア 人びと | |
ボウル 携帯電話 食べ物の屋台 ジャカルタ 麺類 |
No
11675
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年09月21日
更新日
2023年08月31日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF