肖像画に囲まれた男

小さな画廊の中で描いていた男
インドネシアのジャカルタにあるサワー・ブサル地区で撮影 オザワテツ

小さなギャラリーのような工房のようなブースの中で男は絵を描いていた

ジャカルタの町で絵葉書を売っているお店を目指して歩いているうちに、小さなギャラリーが並んでいる場所に出くわした。ハヤム・ウルク通りを歩いている時も、歩道に画家が集まっているエリアがあったけれど、ここサワー・ブサルで見つけた場所の方が本格的だ。ハヤム・ウルク通りでは画家たちは歩道の上に作品を並べていただけだったが、こちらではそれぞれの画家が小さいながらも画廊のようなブースを構えていた。

それぞれのブースに画家の作品が掲げられていて、ポートフォリオのようになっていた。眺めていると、画家によって得意とする絵が違うのがよく分かる。写真の画家は肖像画が得手としているのだろう。狭い壁にいくつもの肖像画が掲げられていて、中にはフィデル・カストロの肖像画もあった。映画「アクト・オブ・キリング」を鑑賞した身としては、そのような共産主義者と思われかねない肖像画を掲げて大丈夫なのかと心配になってしまう。

「アクト・オブ・キリング」の題材となった「右派勢力によるインドネシア共産党員狩り」が起きたのは1965年。もう60年以上も前の話だ。今では共産主義者であると公言しても問題ないのかもしれない。もっとも、肝心の共産主義そのものにかつての勢いは全く無いけれど。

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アクト・オブ・キリングとは

『アクト・オブ・キリング』(原題:The Act of Killing)は、2012年制作のイギリス・デンマーク・ノルウェーのドキュメンタリー映画。 1965年時のインドネシア大統領・スカルノがスハルトのクーデターにより失脚、その後、右派勢力による「インドネシア共産党員狩り」と称した大虐殺が行われ、100万人以上が殺害されたといわれている、9月30日事件を追った作品。 当時、虐殺に関わった者たちを取材し、彼らにその時の行動をカメラの前で演じさせて再現するという手法をとった異色のドキュメンタリー映画である。 なお、製作に関わった多くの現地スタッフは、事件がインドネシア国内では未だにタブーであり、名前を明かすことが様々な危険を伴うとの理由から、“ANONYMOUS"(匿名者)としてクレジットされている。

ジャカルタにあるサワー・ブサル地区ってどこ?

PHOTO DATA

No

11612

撮影年月

2020年1月

投稿日

2020年07月21日

撮影場所

ジャカルタ / インドネシア

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

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