ジャカルタの中心を南北に伸びるハヤム・ウルク通りに何人もの画家が腰を下ろしていた。道端にいるのになぜ画家だと分かるのかと言うと、その辺りに作品が並べられていて、まるでギャラリーのようになっているからだ。歩道脇の壁際に作品を並べつつ、画家たちは作品を制作している。ここは言わば、数メートルおきに画家のギャラリー兼スタジオが並んでいるのだ。
写真のベレー帽をかぶった男もそのギャラリー兼スタジオにいたひとりだ。ちょうど注文が入っているようで、キャンバスを前にしてデッサンしていた。中には素描の女性の顔が浮かび上がっていた。画家の周りにはモデルの女性はどこにもいない。画家が注視しているのは小さなスマホの画面だ。実物のモデルに目の前に座ってもらう代わりにスマホの写真を見ながら描いているようだ。
そう思いながら眺めていると、キャンバスの中にいる女性さえもヒジャブをかぶっているのに気がついた。参考にしている写真がヒジャブをかぶっているからなのだろうけれど、現実から離れたキャンバスの中でくらい、好きな髪型で飾ってあげてもいいような気がした。
2020年5月 インドネシア 人びと | |
ベレー帽 キャンバス ジャカルタ 画家 絵 女性 |
No
11538
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年05月24日
更新日
2023年09月04日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF