交通量の多い明治通りからちょっと入ると、予想外にこんもりした場所がある。雑司が谷鬼子母神だ。周囲をびっしりと住宅に囲まれた狭い境内に、1664年に広島藩主浅野光晟の正室・満姫の寄進によって建立された由緒あるお堂が建っている。
鬼子母神堂はその名が示すとおり、鬼子母神を祀ったお堂だ。鬼子母神とは梵天や帝釈天、吉祥天、弁才天、大黒天などと同じように、仏教を守護する天部の一尊。平たく言うとインド古来の神が仏教に取り入れられて護法神になったもの。つまり、はるばるインドからやって来た神さまなのだ。
大勢の子どもを抱える母だった鬼子母神は大勢の子を育てられるだけの栄養をつけるために人間の子を捕えて食べていたという。それが釈迦の説教により改心し、転じて仏法の守護神になったのだそうだ。子どもがいるのだから鬼子母神には配偶者がいる。パーンチカという毘沙門天の部下がそうなのだけれど、鬼子母神が子どもを育てるために人間の子を食べていたのに対し、パーンチカにはそのようなグロテスクな逸話はない。子育てに苦労するのは男性よりも女性だというのは古代インドでも同じだったのかもしれない。
2022年1月 町角 東京 | |
本堂 神社 石灯籠 雑司ヶ谷 |
No
12159
撮影年月
2021年12月
投稿日
2022年01月28日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
雑司が谷 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SAMYANG AF24MM F2.8 FE