店先にプラスチックのトレイが並べられていて、干物の魚が無造作に置かれていた。ここはメークロン線路市場にある魚屋だ。店の中には気怠さが充満している。魚が入っているトレイに向こう側では女性の店主が横になって昼寝していた。女性はこの気怠い空気にすっかり飲み込まれてしまっているようだった。買い物客がお店の前を通りかかっても、ピクリとも動くこと無く寝息を立て続けている。この調子だと、せっかくお客がやって来ても魚を売りつける機会をみすみす逃してしまうだろう。
頬杖を突きながら寝ている女性の顔が険しいことも気になってしまう。悪夢でも見ているかのようだ。あまりにも心地悪そうなので、声を掛けて起こした方が良いのかではないかと思ってしまう。そうはいっても、女性はこのまま寝続けることはできない。女性の店舗は他のお店と同じように鉄道の線路の上に開かれている。列車が来る時間になれば、女性は嫌でも起きて店を畳まなければならないのだ。それまでは、思う存分寝ていても良いのかもしれない。
2018年6月 人びと タイ | |
チェック柄のシャツ 魚 メークロン 昼寝 女性 |
No
10621
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月25日
更新日
2024年02月10日
撮影場所
メークロン線路市場 / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA