横浜にある伊勢山皇大神宮には思いの外多くの参拝客の姿があった。特に拝殿の前に大勢の若い男女がたむろしていた。みな綺麗に着飾っているから、境内で行われる結婚式の参列者なのだろう。僕も参列者の一員のような顔をして、拝殿近くをウロウロしていると、巫女に引き連れられた新郎新婦が現れた。そして、手招きされたかのように綿帽子をかぶった花嫁が僕の前を通り過ぎて拝殿へ入っていった。
ここ伊勢山皇大神宮では他の多くの神社と同じように神前結婚式を挙げられる。公式ホームページにも神前結婚式の記載がある。ちなみに神前結婚式は日本に昔からある結婚式ではない。1900年に行われた大正天皇の御結婚の礼を民間でも真似たのが始まりだ。100年以上経った今でも広く行われ、日本古来の伝統のような顔をしているのだから、よほど日本人の感覚にフィットしたのだろう。
神社を訪れるとしばしば結婚式を挙げる人びとを目にするので、神社と神前結婚式は必ずセットになっているように思っていたけれど、それさえも事実ではない。結婚式を挙げられない神社も存在する。意外なことに神社の本家本元とも言える伊勢神宮では結婚式を挙げられない。御神前での結婚の報告しかできないのだ。そう考えると、神社が神前結婚式を執り行うのは神道の儀式というよりもお小遣い稼ぎのようなものなのだろう。
2021年6月 神奈川 人びと | |
花嫁 新郎 巫女 神社 横浜 |
No
11924
撮影年月
2020年9月
投稿日
2021年06月01日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
横浜 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF