カノマン市場の裏側には広々としていて、屋台がポツポツと出ていた。ちょっとした屋台村だ。でも、客はいない。お昼過ぎだったけれど、どの屋台にも客がいないのだ。屋台には気だるい空気が漂っている。近づいていった屋台も同じだった。客のいない屋台でお店の人と流しのギター弾きが仲良くくつろいでいた。
女性の屋台主は椅子の上で胡座を組んで、向かいに座ったギター弾きと話をしていた。流しのギター弾きと言うと、夜の酒場で客の注文に応じて演奏するというイメージがある。けれども、ここでは真っ昼間からギター弾きが屋台の間をウロウロしているようだ。ランチを食べながらギター弾きに演奏をしてもおうと思う客がいるのだろうか。
もっとも、インドネシアは飲酒を禁じているイスラム教を信じる人が多数を占める国だ。たとえ、日が暮れてもお店でアルコールが提供されるとは限らない。限らないというのは、絶対にお酒が飲めないというわけはないからややこしい。イランのように法律で「持つこと」、「飲むこと」、「つくること」が禁止されているわけでもないので町中でアルコールも売っているし、国民全員がイスラム教徒というわけでもない(多くの華僑がインドネシアに居住している)。同じようにイスラム教徒が多数を占めるトルコでは、場所にもよるけれど、イスタンブールでは飲酒に寛容で町中で普通に飲めた。でも、ここインドネシアでは一般的に飲酒はあまり良くないこととされているようで、アルコールを提供する場所は限られているのだ。このような状況でお酒を飲まないというのは宗教心がそうさせているのだろう。
2021年1月 インドネシア 人びと | |
チルボン 食べ物の屋台 ギター ヒジャブ テーブル |
No
11797
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年01月25日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF