男が椅子にどっしりと腰を下ろして新聞を読んでいた。一見すると、どこかの食堂で料理が出てくるまでの間に新聞を読んでいるかのようだ。しかし実際は違う。ここはチルボンにあるカノマン市場の中で、男は果物屋の奥にいたのだ。
すっかりとくつろいでいる男はもう仕事を終えたかのよう。しかしながら店頭には様々な種類の果物が陳列されているし、客もウロウロしている。写真の中にも男の背後に売り物のパイナップルが見えた。それでも男にはそのような光景はどこ吹く風のようだ。
新聞を広げて持つ男の手に目を向けると指輪が見えた。茶色い石の付いた大きな指輪だった。ここインドネシアでは大きな貴石に不思議な力が宿っていると信じられているため、男性でも大きな指輪をしている人は多い。ジャカルタの町中では男性向けの指輪を売っている屋台をみかけたこともある。この男性も指輪の力を信じているのだろう。装飾のために付けていると言うよりも、一種のお守りのような感じだ。そう考えると、インドネシアの指輪はタイで多くの人が身につけているプラクルアンに近いのかもしれない。
2021年2月 インドネシア 人びと | |
チルボン 市場 新聞 パイナップル ペットボトル 指輪 |
No
11812
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年02月09日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF