人とすれ違うのも難しいような幅の狭い路地は終わってしまい、自動車も通れるような幅のある道を進んでいた。道路沿いには低層の住居が並んでいた。建物の屋根は瓦葺だ。色の濃淡にバラツキがあるものの、茶色の瓦が葺かれている。一般的な家にも使われているのを見ると、ここジャカルタで瓦はそれほど高価なものではないのだろう。郊外には陶芸の村が幾つかあって、そのような村で生産した瓦のようだ。
濃淡のある瓦屋根が続く町並みを上から見たら綺麗だろう。そう思ったのだけれど、いかんせん、この辺りには背の高い建物は建っていない。低層の住居が続いているばかりで鳥瞰できるような場所はないのだ。仕方なく僕は地面を這いつくばりながら、上を見上げて歩いていた。
日本だと、瓦と言うと黒っぽいものを思い浮かべるけれど、この辺りでは茶色が一般的だ。この違いは作り方の相違によるものらしい。黒い瓦は焼成の最後の段階で薫化という炭素を主成分とする膜を表面に形成させているのに対し、ジャカルタ辺りで用いられている茶色の瓦は粘土を焼いた時に発色する朱色のままの瓦ということらしい。
2020年12月 町角 インドネシア | |
ジャカルタ 屋根 タイル |
No
11751
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月06日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF