横を見ると、細い道が奥へと続いていた。でも入り口に立って眺めるだけでは、そこが新たな路地の入り口なのか、誰かの家への入り口なのかは判然としない。路地なのか玄関なのかよく分からない細い道は幅を狭めながら、ずっと奥へと伸びていた。
よく見てみると奥の方は建物が壊れていて、これではたとえ路地であっても足を踏み入れるのは難しい。そう思っていると、手前にある玄関にひょこっと男が現れた。玄関先に腰を下ろした男はギターを抱えながら、路地の奥をじっと見ている僕を眺めている。突然現れたギターの男は何者だろうと眺めると、男は男で僕のことを何者だろうと思案するような顔で眺めていたのだった。
インドネシアの音楽というと、真っ先にガムランを思い浮かべる。でも、ジャカルタをウロウロしている間に鍵盤打楽器や銅鑼を使ってガムランを演奏しているような人を見かけることはなかった。タイではラナートというタイの伝統の鍵盤打楽器を演奏している人を見たことがあったのに残念だ。そのような中、ジャカルタで会った唯一楽器を手にしていた男がこの写真の男だった。ギターを弾く姿は世界各国どこでも変わらない。ジャカルタでも伝統的な楽器よりギターの方が一般的なのかも知れない。
2020年12月 インドネシア 人びと | |
路地 ギター ジャカルタ 裸足 |
No
11750
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月05日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF