ジャカルタで見つけた路地の入り口に屋根が設けられていて、トンネルのようになっていた。屋根の下にはベンチが置いてあって、地元の人がそこで井戸端会議を開けるようになっている。でも僕が訪れた時には井戸端会議は開催されていなかった。その代わり、青いプラスチックの椅子に腰掛けた男がひとりで何か書物をしているだけだった。男の向こうには洗濯物が干してあるのが見えて、路地が伸びていた。
地元の人たちが普段着でウロウロしているような路地を歩くのは楽しい。路地を見つけると、いつだって中へと入っていきたい衝動に駆られてしまう。もっとも、路地に侵入したところで歓迎されるとは限らない。ほとんどの場合、路地に入ろうとする僕を見た時の地元の人の反応で一番多いのは無関心だ。でも、時には嫌がられる時もある。
嫌がられた時には、謝りつつ路地の奥に進んでいくのを諦めることになる。つまり地元の人の反応を見ながら決断するのだが、困るのは実際に行動を起こすまで地元の人の反応が分からないことだ。この写真の場所も路地の奥に地元の人がいて、そちらに行ってみたいと思わせる路地の入り口だった。でも、屋根が設けられている入り口は門のように僕の前に立ちはだかり、門番のように男が椅子に座っている。ここを進んでいくのには勇気が必要だった。
2020年6月 町角 インドネシア | |
路地 ベンチ ジャカルタ 住宅街 屋根 |
No
11585
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年06月30日
更新日
2023年09月03日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF