横浜にある称名寺は、鎌倉幕府の執権職を世襲した北条氏の一族である金沢北条氏の菩提寺で古刹だ。金沢北条氏の祖である北条実時が開基したと言うからその歴史はゆうに800年くらいはあり、境内には赤門、仁王門、金堂、釈迦堂などの建造物だけでなく、浄土式庭園も築かれている。全盛期には、三重の塔を含む七堂伽藍を完備した大寺院だったようだ。
でも時代は移り変わる。金沢北条氏が滅び、大きな後ろ盾を失いながらも、時の権力者の庇護を受けたが寺運は回復せず、称名寺は江戸期に大きく衰退してしまったという。今ある庭園も1980年代に1323年に描かれた「称名寺絵図」に基づいて復元されたものだ。寺院が衰退してしまった今では称名寺という寺院そのものよりも、寺院のパトロンであった金沢北条氏が設けた文庫である金沢文庫の方がずっと有名かもしれない。金沢北条氏が鎌倉時代に収集した書類などが、称名寺に隣接した「神奈川県立金沢文庫」に保存されていて、今では博物館になっている。
称名寺の開基でもある北条実時は文化人で、様々な書籍を収集していたらしい。今でも貴重なものが金沢文庫に収蔵されている一方、長い時代の中で散逸してしまったものも多いようだ。徳川家康、前田綱紀ら歴史上の有名人によっても蔵書が持ち出されたというから、どれだけ貴重な蔵書が文庫にあったのだろうと想像してしまう。
2023年6月 町角 神奈川 | |
橋 庭園 女の子 屋根 寺院 横浜 |
No
12509
撮影年月
2023年3月
投稿日
2023年06月17日
更新日
2023年08月07日
撮影場所
横浜 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF