徳川将軍家の祈祷所・菩提寺で権勢を誇った寛永寺が、幕末の動乱期に主要な伽藍が焼失しただけでなく、明治維新後に寺領を没収された結果、今では地味な印象のある寺院になっているのと同じように、東京の練馬にある三宝寺という寺院もかつての勢威を感じるのは難しかった。
鎌倉時代・室町時代に特権を持っていたことを示す「守護使不入」と彫られた石碑が立っているし、徳川家康から10石の朱印地を受け、徳川家光の鷹狩の休息所にもなるような由緒正しい三宝寺も、明治維新後に寺領上地によって縮小されたのみならず、火災で堂宇を焼失してしまっている。今建っている堂宇を眺めても、見るものを圧倒するような建造物はない。多少目を引くのは勝海舟邸の門だった長屋門くらいだろうか。
開創600年記念事業として発願され、1996年に落慶した根本大塔と、その横に立つ平和大観音像は存在しているだけで訪れた者の心を揺さぶるようになるにはまだ日が浅い。あと500年もすれば、貫禄がつくに違いない。
2023年12月 建築 東京 | |
お堂・ホール 屋根 石神井台 像 寺院 |
No
12546
撮影年月
2023年5月
投稿日
2023年12月16日
更新日
2023年12月27日
撮影場所
石神井台 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF