ジャカルタのチャイナタウンに建つ金徳院という中国寺院は賑わっていた。春節が近づいてきているからだろう。途切れることなく参拝客がやってきていた。ほとんどの人はご本尊である観音様を始め、いくつか祀られている神様にお参りをして、さらに大きな香炉のところにも線香をあげていた。誰もが来たるべき新年が良い年であることを切に願っているのだ。
僕も地元の参拝客と同じ様に本堂に祀られている観音様をお参りし、再び大きな香炉のところに戻ってきた。誰しもが良い新年を迎えたいのだと思っていたけれど、冷静に周囲を見渡すと皆が皆そう思っている訳でもないことに気がついた。特に若い人はどのような新年が迎えられるかということにはあまり関心がないようだ。
若い人たちの中には、どのような新年がやってくるかよりも、今やっているゲームの進捗状況の方がずっと大切だと感じている人もいる。興味が無ければ、来なければいいのにと思うけれど、親兄弟に連れられて来たのだろう。鳳凰の壁画の前に置かれたベンチの上には、スマホの画面とにらめっこしている若者の姿が見えた。
金徳院(閩南語: Kim Tek Ie、マンダリン: Jīn dé yuàn、インドネシア語: Vihara Dharma Bhakti)はインドネシア・ジャカルタの中華街グロドック(英語版)にあるクレンテン(現地語で「中国寺院」の意)。1650年に完成したジャカルタ最古の中国寺院。
No
11571
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年06月19日
撮影場所
金徳院 / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF