ジャカルタにある金徳院の境内に放生している人たちがいた。どうやら、この人たちはグループでこの中国寺院にやってきているようだ。しかも、みなカメラを抱えている。放生する様子をお互いに撮影し合っているようだった。
代わる代わる鳥の入ったカゴの近くにやってきて、グループの他の人がシャッターをいる中、カゴの蓋を開けて鳥を逃していた。放生という徳を積む行為には証明書なんていらないと思うけれど、みなで仲良く放生をしに訪れて、その証拠をお互いに撮影しているに見える。蓋を開けて鳥を逃した人は、晴れて証明を入手できたからか清々しい顔で皆の中に戻っていく。そして、まだ、役目を終えていない人が代わりにカゴのところへやって来るのだ。
眺めていると、幼い女の子の番になっていた。女の子がカゴの蓋を恐る恐る開けると鳥が一斉に飛び立ち、気怠い空気が漂う境内にシャッター音が響き渡る。なんだか徳を積む行為というよりも、売れないアイドルの撮影会のような雰囲気だった。
No
11567
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年06月15日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。