ジャカルタのグロドック地区を歩いていると、知らぬ間に見覚えのある場所へとやって来ていた。数日前にも訪れた金徳院という中国寺院の前にやって来ていたのだ。
境内の前を歩いていると、道路脇に鳥籠が置いてあった。前に来た時には無かったものだ。木の枠に金網をはめ込んだ鳥籠の中には数えきれないくらい多くの小鳥が入れられていた。見たところ、どれも同じ種類の鳥に見える。なんという鳥なのだろう。
鳥の種類は分からないけれど、この鳥たちが何に使われるのかは分かっている。放鳥に使われる小鳥たちだ。放鳥は命あるものを野生に解き放つことにより、徳を積めるとする仏教の儀式だ。
そういえば前にこの寺院を訪れた時には、金徳院の境内で放鳥の撮影会が行われていた。変わる変わる鳥をカゴから放ち、それをお互いに写真に収めているグループがいたのだ。徳を積むためなのか、写真映えする瞬間を捉えたいだけなのか、判然としなかったけれど、何羽もの小鳥たちが空に放たれたのは本当だ。
この小鳥たちも、近いうちに空に放たれるに違いない。でも、よくよく考えると、わざわざ空に放つために小鳥を捕獲しているのだから、放鳥という行為そのものに感動ポルノ的な何かを感じてしまう。所詮は人間の自己満足のためだけに行うものに見えるのだ。
2020年11月 動物 インドネシア | |
鳥 籠 儀式 ジャカルタ 寺院 |
No
11721
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年11月06日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF