ジャカルタにある金徳院という中国寺院の香炉近くにちょっとしたスペースがあった。白いカゴがいくつか置かれていて、中には小鳥が入れられていた。小鳥はカゴの中でピーチクパーチクと忙しない。放生のための小鳥だ。
女性と女の子がカゴの脇に屈んでいた。この二人がカゴの蓋を開けて、小鳥を外に放す役目を担っているようだ。しばらく眺めていると、果たしてふたりはカゴの蓋を開けた。待ち構えていたかのように、カゴから小鳥たちが空に向かって羽ばたいていく。放生の完了だ。
放生とは捕らえた鳥などの生き物を生きたままで放してやることをいう。そうすることにより功徳を積めるのだそうだ。これでカゴを開けた二人は徳を少し積んだことになる。
東南アジアを旅していると放生をしている瞬間に立ち会うことはそれほど珍しいものではない。ベトナムでも見たことがあるし、タイでもミャンマーでも見かけたことがある。東南アジアでは一般的な儀式のようで、寺院の門前などに放生用の小鳥を用意している人がいることも多い。日本ではあまり一般的ではないけれど、陰暦8月15日に催される石清水八幡宮のものが有名だ。
2020年6月 インドネシア 人びと | |
籠 鳥 儀式 中華街 ジャカルタ 寺院 |
No
11566
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年06月15日
更新日
2023年09月04日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF