大抵の場合、神社仏閣の境内には猛々しい像が設置されている。これは神聖なる境内に邪悪なものが入ってこないようにするためだ。もし、護っているものが弱々しいものだったら、邪悪なものも境内に入ってくるのに躊躇しないだろう。
そんな一般論とは違って、建長寺の本堂の入り口に置かれている像は可愛らしいものだった。小さなフクロウの像が置かれているのだ。とても、本堂に安置されている地蔵菩薩坐像を護っているようには見えない。中の坐像には目を向けず、ずっと首を傾げてそっぽ向いたままだった。
薄々感じていたけれど、やはり建長寺にあるフクロウの像の役目は金剛力士などの護法善神とはちょっと異なっていた。仏法や仏教徒を守るためではなく、建物や像を鳩から守るために置かれているのだそうだ。まあ、守っているのは同じなのだけれど、敵が特定されているのだ。
No
9853
撮影年月
2016年5月
投稿日
2016年08月27日
撮影場所
建長寺 / 神奈川
ジャンル
静物写真
カメラ
SIGMA DP2 MERRILL
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。