市場の中を通路を抜けて、さっきまでいた軒下のある場所とは反対側の出口から外へと出た。前の通りは広く、雨が上がった路上を地元の人たちが行き来していた。この通りも町の目抜き通りのようだ。道の両端にはお店がびっしりと建ち並んでいて、賑わっている。旅先で僕がいつも訪れたいと思っているような場所だった。カメラを片手に人混みの中を歩いていく。カメラを抱えた外国人旅行者に興味を示す人もいれば、示さない人もいる。
写真の男は前者だった。男は僕に気がつくと、目の前にやって来て立ち止まった。そして、楽しそうに口を開けて笑ってくれる。目尻には笑い皺が浮かんでいた。そして、開けた口の中は赤く染まっている。この男は町の到るところで売られているクーンを噛んでいるのだろう。ビンロウジをキンマの葉で包んだものはミャンマーでは大人気の嗜好品だ。煙草よりもずっと人気があるように見える。煙草のように火も使わないし、煙も出ない。けれど噛むと男のように口の中が真っ赤に染まってしまうのだった。
2019年4月 ミャンマー 人びと | |
チャウタン 男性 口 赤 笑顔 |
No
10973
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年04月15日
更新日
2024年01月14日
撮影場所
チャウタン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA