しばらくの間、チャウタン市場の2階にある廊下から外を眺めていたので、そろそろ移動することにした。通路を歩いて廊下の裏側に回ると床屋があった。どこの国の床屋もそうであるように壁に大きな鏡が掛けられている。
客の男の子が鏡の前の椅子に腰掛けていて、床屋の男が男の子の髪を切っていた。床屋はとても楽しそうに手を動かしている。手にはバリカンを持っているから、襟足を整える段階のようだ。楽しそうな床屋とは対照的に男の子はムスッとした顔だ。ひょっとしたら男の子はカメラを向けている僕に見世物じゃないと言いたいのかもしれない。
大きな鏡の中に視線を向けると、男と男の子が映っていた。男の子は客の男の子の友達だろう。帽子を前後逆にかぶっていた男の子も床屋に負けないくらいに楽しげな顔をしながら、鏡越しに僕を見ている。この男の子にとっては、友人の髪型の仕上がり具合よりも僕の持っているカメラの方がずっと気になるようだった。
2019年5月 ミャンマー 人びと | |
床屋 男の子 チャウタン 鏡 笑顔 タナカ |
No
10995
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年05月02日
更新日
2023年12月22日
撮影場所
チャウタン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA