市場の2階の外廊下に立ち止まって、前の往来を眺めていた。商品の納入にやってくるトラックもあれば、買い物をしに歩いてくる人の姿も眼下に見える。僕が立っている場所は閑散としていたけれど、この市場は地元の人びとの生活の中心として賑わっているようだ。
しばらくすると、人の気配を感じた。若い男が廊下の向こうからこちらに向かって歩いてきている。この辺には貴金属商が軒を連ねているけれど、失礼ながら男は貴金属を買い求めにやって来たようには見えない。男は行商人だった。男は使い捨てのひげ剃りを市場の中で売り歩いているのだ。ここでは西隣にあるバングラデシュとは違って髭を蓄えるのはあまり一般的ではない。男性にとっては身だしなみを整えるのにひげ剃りは必需品だろう。男は近づいてくると、手に持った使い捨てのひげそりを見せながら、僕に向かってセールストークを始めたのだった。おそらく、このひげ剃りの切れ味は最高だ!なんてことを言っているに違いない。
2019年4月 ミャンマー 人びと | |
顔 行商人 チャウタン サングラス 青年 |
No
10992
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年04月30日
更新日
2020年04月21日
撮影場所
チャウタン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA