チャウタンの街角に様々な車両が道端に停まっていた

ひげ剃りを売り歩く男が去ると、僕は再び静寂に包まれた。チャウタンの中心にある市場の2階はのんびりしていて、僕は廊下の手すりに寄り掛かりながら往来をぼんやり眺めていた。市場の前の通りは賑わっているものの、混雑はしていない。人びとがあっちへこっちへ歩いていて、道端に車両が停まっている。僕が立っているところからも、様々な車両が停まっているのが見えた。トラックも停まっているし、バイクも停まっているし、自転車タクシーも停まっている。

ぼんやり眺めていると、チャウタンでは見かけるバイクをヤンゴンの中心部で見たことがないことに気がついた。経済発展しつつあるミャンマーでは、ベトナムやタイのように大量のバイクが道路を占拠していても不思議ではないのだけれど、そのような光景を見た憶えがないのだ。どうやらヤンゴン市内はバイクで走るのを禁止されているらしい。そのような国は珍しいに違いない。何を理由に禁止されているのかはよく分からないけれど、軍政時代に施工された規則が今でも生きているようだ。

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