しばらく歩いているうちに、周囲はすっかり住宅街になってしまった。幅の広い道路の両端に建っているのは住居ばかりだ。家々の中を淡々と歩いていく。すると、また小雨が降り出したのだった。近くにどこか雨宿りが出来る場所が無いかと探していると、八百屋があったのでその軒先へと入り込む。
高床式のお店の店頭には野菜が並べられていて、女性が働いていた。突然現れた外国人に女性は吃驚したようで、軒下で雨宿りを始めた僕にいくつも質問を投げかけてくる。ビルマ語だったので、よくは分からなかったけれど、おそらくはどこの国の人間で何をしにこんな住宅街の中へとやって来たのか訊いてきたのだと思う。
身振り手振りで会話を進めていると、ふと八百屋の隣にいる親子連れと目があった。八百屋の女店主と同じように、やはりこの親子も外国人旅行者に興味があるようだ。何かを話しかけてくるわけでもないけれど、ふたりともぼんやりとカメラを抱えた僕のことを眺めていた。
No
10981
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年04月21日
撮影場所
チャウタン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA