ヤンゴンの中心部を歩いていると、気がつくと仏教寺院の前へとやって来ていた。賑やかな大通りに面したコンクリート製のビルの中に作られた寺院は都会の喧騒にすっかり紛れ込んでいる。入り口の前にやってくるまで、そこに寺院があるとは気が付かなかったくらいだ。中を覗くと、そこにはのんびりした雰囲気が漂っている。僕はサンダルを脱いで中に入ることにしたのだった。
ビルの一階にあるお堂の奥には何体もの仏像が安置されていた。どれもこれもガラスケースの中に入れられていて、ちょっと物々しい。そして、仏像の前には賽銭箱が置かれている。なぜだか分からないけれど、お賽銭箱もガラスケースで作られていた。
ここは信仰の場で、信心深いミャンマーの人たちの姿があるのだけれど、お参りしている人はひとりもいない。ほとんどの人が黄金に輝く仏像に背を向けて床に座っていた。お参りにやって来たというよりも日陰で広々としたこの場所にのんびりしに来たかのようだ。ひとりの男の子に至っては、仏像に背を向けたまま鼻をほじっている。そのような状況にもかかわらず、仏像たちは眉をしかめることもなく温かい視線を人々に向け続けていた。
2019年9月 ミャンマー 人びと | |
仏像 黄金 リラックス ヤンゴン |
No
11182
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年09月07日
更新日
2020年01月16日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA