強羅の斜めになったプラットホームに立っていると、同じように斜めになった電車が入って来た。中に入ると、車内も山の斜面と同じように斜めになっている。先頭にある運転席は、まるで坂の上に設けられているかのようだ。箱根登山ケーブルカーだ。このケーブルカーは、箱根の強羅辺りに建てられた旅館や別荘地の利用者の便を図るのと同時に箱根を回遊するのにも用いられるように敷設された、日本で2番目に古いものなのだそうだ。
八王子の高尾山にあるケーブルカーに乗ったこともあるけれど、ケーブルカーと普通の電車の大きな違いは急な斜面を走るかどうかではない、というのを知ったのはつい最近のことだ。ケーブルカーと普通の電車の違いはその動力にある。電車が架線から取り入れた電力で車体に積まれているモーターを動かして動力を得ているのに対し、ケーブルカーは車体に動力を積んでいない。ケーブルカーの動力は車両に繋がれたケーブルだ。このケーブルをウインチ等で巻き上げたり、送り出したりして車両を動かしているのだ。
言われてみれば、確かに箱根登山ケーブルカーに乗ってもモーター音は聞こえず、とても静かに動いていた。
2021年7月 神奈川 乗り物 | |
箱根 列車 |
No
11954
撮影年月
2020年12月
投稿日
2021年07月01日
更新日
2023年08月21日
撮影場所
箱根 / 神奈川
ジャンル
鉄道写真
カメラ
RICOH GR III