九品仏駅はプラットホームが短いことで有名だ。そう。プラットホームが停車する電車よりも短いので、ドアが開かない車両が存在するのだ。まさか停まったのにドアが開かない駅があるなんて、思いがけなく、罠にかかったような気分になってしまう。車内アナウンスで何度も注意を喚起しているにも関わらず、この予想外の内容を聞いてすぐに理解できている人はどれくらいいるだろうか。
人は、母語であっても自分が想像する以上のことを理解するのは簡単ではない。自分がそう感じたのは、中央アジアのウズベキスタンを旅していたときだった。自自転車でシルクロードを旅していた日本人と知り合い、一緒に日本から来た年配の団体旅行者がいると聞いて会いに行ったところ、日本語で話しかけても全く理解してもらえなかったのだ。最終的に、「日本語お上手ねぇ」と言われる始末だ。辺境の地で日本人に会うわけがないという思い込みが、理解を妨げていたのだろう。こんな日本から離れた場所で日本語を話す人と会うはずがない、と。思考が自分で勝手に作ったフレームの中に囚われていて、その枠外のことを目前で示されても理解するのは簡単ではないのだ。
2023年4月 東京 乗り物 | |
車窓 奥沢 乗客 列車 |
No
12471
撮影年月
2023年1月
投稿日
2023年04月01日
更新日
2023年08月08日
撮影場所
奥沢 / 東京
ジャンル
鉄道写真
カメラ
IPHONE 14 PRO