自分が乗っている電車の扉が閉まらないのだから、反対方向へ向かう電車の扉も開いたままなのは当然と言えば当然だ。駅の近くで停車している間、すれ違った電車の扉もしっかりと開きっぱなしだった。扉の近くには乗客たちが立っていて、その中のひとりの男は携帯電話で通話をしていた。肩に力を入れず、どこかのんびりと話しているように見えた。
電車と電車は、互いの窓越しにゆっくりとすれ違っていった。その速度は、おそらく手を伸ばせば届きそうなほどだった。そんなことを考えながら眺めていると、走行中の電車から反対側へ飛び移ることも、案外うまくやれば可能なのではないかと思えてきた。
もちろん、それを実際に試そうという気はさらさらない。けれど、その可能性を想像するだけで、少しだけ自由な気分になれた。
2024年12月 インド 人びと | |
携帯電話 ムンバイ 乗客 列車 |
No
12726
撮影年月
2024年5月
投稿日
2024年12月08日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
鉄道写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF