ムンバイを走る郊外電車の扉は閉まらない。だから、駅ではない場所で、走行中に降りることさえ自己責任で可能だ。ビュンビュンと走る電車から飛び降りるのはさすがに難しいだろうが、徐行中ならそれほどの難易度ではない。特に駅に入る前の低速での走行時は、絶好の降り時なのかもしれない。
このときも、ターミナル駅の手前で停止した電車の車窓から外を眺めると、数人の男たちが線路脇を歩いているのが見えた。ヘルメットもかぶっていなければ、工事用の道具を持っているわけでもない。保線作業員ではなさそうだ。それならば、きっと駅より手前で降車した方が目的地に近いと判断し、自主的に電車を降りた人々なのだろう。
彼らはまるでそれが当然の行為であるかのように、のんびりと歩いていた。僕はそれを不思議な光景だと思いながら眺めていた。彼らにとって、この自由な乗降はムンバイの電車の一部であり、日常の一部なのだ。
2024年12月 町角 インド | |
ムンバイ 線路 列車 |
No
12724
撮影年月
2024年5月
投稿日
2024年12月06日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
鉄道写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF