チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅の構内は、奇妙に静かだった。アナウンスが流れることもなく、人びとのざわめきもどこか控えめだ。その静けさの中で、停まっている電車だけが時の流れを経過を感じていた。
この駅では電車の発車時刻がやってきても、発車ベルが鳴ることもアナウンスが流れることもない。ただ静かに、何の前触れもなく電車が目的地に向かって動き出す。扉が閉まることもなく、電車は開放的な状態のままだ。時刻表を知らない乗客にとっては、不意に電車が動き出す瞬間は驚きと焦りを呼び起こすかもしれない。
この駅の静けさと、電車が自然に動き出すその様子には、不思議な調和があった。無秩序のようでいて、その中にどこか整然としたリズムが隠れている。それがインドの駅の特有の時間の流れなのだろう。
2024年12月 町角 インド | |
ムンバイ 乗客 駅 列車 |
No
12731
撮影年月
2024年5月
投稿日
2024年12月13日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
鉄道写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF