府中にある東京競馬場でレースが開催される日は大混雑するのであろう府中本町駅もレースのないこの日は閑散としていた。ガラガラの駅構内を歩いてると、無駄に大きいように思えてしまう。
この駅の南武線のホームは半地下になったような形になっていた。途中からコンクリートのトンネルの中にあるのだ。トンネルの中にあるプラットホームに立つと、すぐ向かいにはコンクリートの壁が広がるばかりで何もない。
何もないコンクリートばかりの壁を見ていると自分の中に違和感が湧き上がってきて、最初は何が違和感の原因なのか分からなかったのだけれど、そのうちに気がついた。大抵の場合、駅にある大きな壁という壁は広告に占拠されてしまっているのに、ここ府中本町駅の南武線のプラットホームの向かいにある壁にはデジタルサイネージはおろかポスターの類いも何もない。まっさらなのだ。
かつてはどこの駅の壁もこのように何もなく空白だったのだろうけれど、今となっては何も広告の掲載されていない壁は珍しい。それに広告に占拠された壁を見慣れてしまった人間は、何もない壁に違和感を感じるようになってしまうのだと実感。この感覚は沈黙恐怖症の空間バージョンみたいなものなのだろうか。
2021年11月 町角 東京 | |
府中 女の子 プラットホーム 駅 |
No
12099
撮影年月
2021年7月
投稿日
2021年11月23日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
府中 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF