住宅街の中の路地はごちゃごちゃしていることが多いけど、ジャカルタで通りかかった路地のごちゃごちゃ具合はかなり高かった。入り口には移動式屋台が置かれていて、その反対側には鍋が幾つも地面に置かれていた。あまりにもごちゃごちゃしていて、ひょっとしたら、ここは路地ではなく誰かの家への入り口なのかも知れないと思ってしまうくらいだ。
奥の方には女性が何人か固まって井戸端会議をしているのが見える。なんだか楽しそうだ。その様子を遠くからぼんやり眺めていると、女性のひとりがこちらに歩いてきた。見知らぬ外国人が珍しく、声をかけてくると思ったのだけれど、そうではない。駐められていた移動式屋台の上にある容器を手にとってコップに水を注ぐと、僕には一瞥をくれることもなく奥へと戻っていく。喉が乾いていただけらしい。別に僕に声をかけようとやって来たわけではなかったのだ。
ジャカルタではカメラに惹きつけられて寄ってくる子どもはいても、好奇心にかられて声をかけてくる大人はほとんどいない。どこからやって来た?とか聞かれることはないのだ。そう聞かれたら、逆にどこから来たと思う?と質問するのが好きなのだけどその機会はここではなかった。
2020年12月 町角 インドネシア | |
路地 薄暗さ ジャカルタ 浅い鍋 深鍋 |
No
11754
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月09日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF