煙草を吸っている男の前を頭上に鍋を載せた女性が通り過ぎていった

お店の前に男が立って、煙草をくわえながらぼんやり往来を眺めていた。ヤンゴンではまだ禁煙運動は活発ではなく、町を歩いているとあちこちで煙草を吹かしている人を見かけるし、売っている場所を見つけるのも難しくはない。

ミャンマーでも煙草はメジャーな嗜好品なのだけれど、似たような嗜好品は煙草だけではない。地元の人たちは葉巻も吸うだけでなく、インドでパーンと呼ばれるクーンもよく噛んでいる。見た限りでは煙草よりも葉巻やクーンを好んでいるようだ。煙草よりも安いからだろうか。いずれにしても、この道端に立つ男が口にくわえていたのは白いから、葉巻でもなくクーンでもなく煙草だろう。

そうこうしていると、どこからともなく頭上に鍋を載せた女性が現れた。女性は鍋に手を添えることなく、バランスよく歩いている。そして、あれよあれよという間に煙草を吹かしている男の前を通り過ぎて向こうに歩き去って行った。

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