何台ものバジャイが停まっていた橋を越えて、再び川沿いを進んでいった。町の中を流れる川はしっかりと護岸されている。ジャカルタではまだまだ多自然川づくりのようなが河川管理は行わていないようだ。多自然川づくりとは、日本の国立環境研究所によると「河川が本来有している生物の生息環境や多様な景観を保全・創出し、治水・利水機能と環境機能を両立させた河川管理を行うこと」だ。
この川も両岸がしっかりとコンクリートで護岸されていて、川幅は一定で川の流れも一定だ。環境よりも治水や利水を重視した河川管理になっている。このような状況では、水が淀む場所が少なく、川の中に生息する生き物も生きづらくなってしまう。人間にとっては都合が良いけれど、自然環境の視点からはあまり良い河川の管理手法とは言えない。そのため、多自然川づくりでは、治水上の安全性を確保しつつ、多様な自然環境をできるだけ保全し、改変する場合は最小限に留めて、良好な自然環境が復元できるように川づくりを行うとされているのだ。つまり、河川を管理するときに環境にも配慮しようね、ということだ。
河川管理の背後に高尚な理念があっても、そのような小難しいことは川で遊ぶ地元の子どもたちは気に留めていないだろう。子どもたちは僕のカメラを見つけると、川で遊ぶのを止めて集まってきた。そして、思い思いに楽しそうなポーズを決めてくれたのだった。ファインダーの中に見えた男の子の配置は、なんだかクイーンの「QUEEN II」のアルバムジャケットのようだった。
2020年10月 インドネシア 人びと | |
男の子 陽気 ジェスチャー ジャカルタ ポーズ 四人組 |
No
11687
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年10月03日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF