三河島の方から伸びてきた線路が、旧日光街道を越えるのを合図に解き放たれたかのように広大な敷地に広がっていく。この敷地は南千住駅のすぐ近くにある隅田川駅だ。駅と言ってもここで電車を乗り降りしたことのある人はいないはず。出改札などの旅客設備はなく、ここで列車に載せられたり、列車から降ろされたりするのは貨物だけ。隅田川駅は貨物駅だ。
上越方面と東北方面に向かう貨物列車の発着駅で、旅客駅で言うところの上野駅のような重要な駅にもかかわらず、特に鉄道に興味のない僕は日光街道に設けられた跨線橋から眺めるまでその存在を知らなかったくらい地味な駅だ。
地味な存在とは裏腹に、この駅の歴史は長い。開業したのは1896年だから優に100年を越えていて、池袋駅や東京駅よりも長い歴史を誇っている。他の鉄道駅と比べるだけでは、その長さがピンとこないかも知れないけれど、1896年は第1回夏季オリンピックがアテネで開催され、ヘンリー・フォードが初の四輪自動車の試作に成功した年だと聞くと、突然歴史の1ページのように昔のことと感じるから不思議だ。
2022年3月 東京 乗り物 | |
ヘルメット 南千住 線路 駅 列車 |
No
12220
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年03月30日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
南千住 / 東京
ジャンル
鉄道写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35