列車はゆっくりと走っていた。僕は座席から立ち上がって先頭車両へと移動した。運転席の扉は開いていて、運転手が真剣な顔をして運転しているのがすぐ近くに見える。そして、何をしているのか分からない黒いタンクトップ姿の男も運転席の横に腰を下ろしていた。運転手でも車掌でもない男は何をする訳でもなく、床に腰を下ろしてじっと扉の向こうの景色を眺めている。列車の先頭にある扉も開いていて、その向こうには列車の進行方向の景色が広がっているのだった。
先頭の扉からは風が車内に吹き込んでいる。風に当たりながら景色を眺めるのは心地よい。まるでオープンカーに乗っているかのようだ。タンクトップの男も静かに楽しいでいるのだろう。僕も男のすぐ後ろに立って、扉の向こうに見える光景を楽しいでいた。そこにはこれから列車が走る線路が真っ直ぐに伸びているのが見えた。遠目に見ても、線路がちょっと歪んでいるように見えるのは気のせいだと思いたい。
2019年2月 町角 ミャンマー | |
扉 線路 列車 ヤンゴン |
No
10910
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年02月24日
更新日
2024年01月20日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA