イントラムロスは、マニラに残る数少ない「昔のフィリピン」を感じさせる地区である。スペイン統治時代、ここは総督府が置かれた由緒ある城塞都市だったという。高い城壁に囲まれた内部には、教会、修道院、官庁が整然と並んでいたらしい。しかし、第二次世界大戦のマニラの戦いで、その多くが瓦礫と化した。日本軍とアメリカ軍が市街戦を繰り広げ、フィリピンの人々は巻き添えを食う形で多くの犠牲を払った。旅行者の立場から「歴史的」などと軽々しく言うのは憚られるが、ここに吹く風にはどこかやりきれないものが混じっている。
それでも、街は日常を取り戻している。再建された石造りの建物の間を、トライシクルが走り抜け、路地の隅では子どもたちが笑い転げている。石畳の道は昔のままらしく、靴底を叩く硬い音が心地よい。写真の中では、ひとりの女の子がスーツケースの取っ手を引き、その上にもうひとりの女の子が座っている。まるで古い映画のワンシーンのようだ。引かれる子は笑い、引く子は無言。ガラガラと音を立てながら、ふたりは石畳の上を進んでいく。
| 2009年2月 町角 フィリピン | |
| 二人組 女の子 イントラムロス ロングヘア マニラ 裸足 石畳 |
No
2524
撮影年月
2008年9月
投稿日
2009年02月21日
更新日
2025年11月18日
撮影場所
マニラ / フィリピン
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM